沖縄関連

「県民の皆様の気持ちに寄り添いながら」「全力で埋め立てを進めます」

昨日から沖縄県の辺野古で海上への土砂投入が始まりました

(…というか、政府が辺野古の海に土砂を投入し始めました)

これは(原状回復不可能な)「埋め立て」という既成事実をつくって

今から反対してももう遅い…という「諦めムード」をつくるため…であり、

それは来年2月末に予定される沖縄県の県民投票の

投票率と辺野古新基地建設反対票を減らすため…と、メディアは解説しますけど

もっと大きな構図で言えば、「沖縄県の県民投票なんか無視するぞ!」と

政府がその確固たる意志を示してるだけ…です

(菅だって、わざわざ記者会見の場で「全力で埋め立てを進めていく」と言うてるし…)


そういえば、辺野古沖への土砂投入を始めた昨日、

菅官房長官と岩屋防衛大臣は記者の前に立ってコメントしてましたが

あの「出たがり晋ちゃん」がなぜか、記者の前に姿を現さず

翌日の今日は「週末ゴルフ」に興じてはったそうです…↓

安倍首相、辺野古質問に苦笑い ゴルフ場で記者団に

朝日新聞デジタル 12/15(土)

 安倍晋三首相は15日午前、神奈川県茅ケ崎市のゴルフ場を訪れ、秘書官らとゴルフをした。

 記者団から調子を尋ねられると、「今日は結構冷え込んでいるけど、寒さに耐えて頑張っていますよ」と笑顔を浮かべた。

 しかし、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設工事で名護市辺野古沿岸部の埋め立てが始まったことについて質問が飛ぶと、首相は苦笑い。身体を反転させて無言でゴルフ場に戻った

それにしても、沖縄県民が何度も反対の意志を示している辺野古新基地建設を

姑息な手段を交えて強引に進めながら、

(原状回復が困難な)辺野古沖への土砂投入を強行したことについて問われると

「苦笑い」後「無言で去る」…というのは、どこまで沖縄県民(の意志)をバカにするのでしょう


いや、晋三くんだって沖縄に対して今までたびたびコメントはしてたんでした

そう…、「寄り添う」っていう、あのコメントです…↓

安倍晋三 最新PV「県民のみなさまのお気持ちに寄り添いながら、土砂投入!」



(ひとさまのtweetより)

沖縄のみなさまのお気持ちに寄り添いながら「全力で埋め立てを進めていく」…

これは日本語として成り立たないことであると同時に

論理的・道徳的・倫理的にも成り立たないことです


政府のこういう態度に怒れない人は、

沖縄を日本だと思ってない=沖縄県民を日本人だと思ってないとしか言いようがない…

と、ぼくは一瞬考えたのだけれど

「日本人でない」と思えば何をしても心が痛まない…

(≒外国の人だったら何をしても心が痛まない…)

というのは、もはや、21世紀に生きる人の感覚とは思えません

「沖縄の民意」より「アメリカとの計画」を優先します…って言うんだもんな

いや、だからさ、これは「平行線」じゃなくて

「問答無用」とか「聞く耳持たん」っていう話なんだよ…↓

安倍首相、辺野古移設「推進」=玉城沖縄知事との会談、平行線

時事通信 11/28(水) 14:00配信

 安倍晋三首相は28日午後、沖縄県の玉城デニー知事と首相官邸で会談した。

 玉城氏が米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設の断念を求めたのに対し、首相は「米国との計画通り、今の移設作業を進めていきたい。そのことについて理解を求めたい」と表明。会談は平行線に終わった。

県民投票、来年2月24日=辺野古移設賛否問う−玉城沖縄知事

 玉城氏は「(9月末の)知事選で再度示された辺野古反対の民意を真摯に受け止めてほしい」と強調。移設工事を中止するとともに、辺野古移設断念に向け政府と県の専門家による協議体を新たにつくるよう要請した。しかし、首相は「折を見て、話し合いの場は設けたい」と述べるにとどめた。

沖縄(市民)が過去、何度も示してきた民意を無視して

「アメリカとの計画」を優先しますと言うのは

アメリカの大統領…ではなくて、沖縄が属する日本の首相…ってんだから

もう…、なんというか…、なんとも言えん…


けど、安倍ちんは何とも言えないボクを尻目に

こともあろうに、沖縄に対して米軍のさらなる広大な恒久基地をつくることについて

「理解を求めたい」なんて言うとるんだから

まさに、沈黙は金なり、雄弁は銀なり…(って、そういう意味とちゃう!)


そんでもって、雄弁な…ではなく、言葉を言葉とも思ってないことが確実な安倍ちんは

「沖縄(の人々に)寄り添う」と繰り返しとるんだから、もう、

こんな人といったい、どんな話ができると言うねん…

(野党の議員や沖縄県知事など、この人と話をせなあかん人たちの苦悩はいかばかりか…と思うよね)

「平行線」という言葉の響きがどうも引っかかるのだ

今でも十分に米軍基地の過重な負担を強いられてる沖縄に

こともあろうに、また新しい広大な基地をつくろうとする日本政府と

そんなことは許さないという沖縄県との構図に関して

メディアはよく「平行線」という言葉を使うのであります…↓

岩屋防衛相が玉城知事と会談 辺野古移設、平行線

朝日 2018年11月10日

 岩屋毅防衛相は10日午前、沖縄県庁で玉城デニー県知事と会談した。岩屋氏は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向けて、埋め立て工事を進めることに理解を求めた。これに対し、玉城氏は改めて辺野古への移設反対の立場を伝え、話し合いは平行線に終わった

 岩屋氏が沖縄を訪問するのは10月に就任してから初めて。辺野古への移設をめぐっては、県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回に対し、石井啓一・国土交通相が効力停止を決定。防衛省は今月1日に工事を再開している

 会談で玉城氏は、日米安保体制の必要性は理解しているとし、その負担は国民全体で担うべきだとした。先の沖縄県知事選にも触れ、「辺野古新基地建設反対の民意は、私が過去最多得票を得たことでも証明されている」と説明。「辺野古が唯一の解決策という固定観念にとらわれることなく断念していただきたい」と述べ、要望書も提出した。

 一方、岩屋氏は「世界で最も危険といわれる普天間基地の危険性を除去し、返還を実現する。これは私どもも沖縄県も共通の認識だと思っている」と話した。辺野古移設が実現すれば、飛行経路が海上になるので安全性も向上し、騒音も大幅に軽減されるとして、改めて理解を求めた

「平行線」という言葉の意味は、

「対立する両者の意見などが互いに歩み寄らず、同じ状態のままであること」(大辞林)

…とありますけど、この「平行線」という言葉から受ける印象というのは

「対立する両者」の関係が対等平等で、意見の相違が「どっちもどっち」で

だからこそ、歩み寄るべきなのに互いに歩み寄らない状態…

というようなもんだと思うのです

(あるいは、歩み寄らないのも「どっちもどっち」という感じでしょうか)


じゃ、日本政府と沖縄県の関係は対等平等なのか…といえば

(現状では)明らかに前者が強大で有利な立場にある…といえるし

今でも過重な米軍基地負担を強いられてる沖縄県の

「さらなる米軍基地負担は受け入れられない」という至極当然な態度と

「さらなる米軍基地負担を受け入れろ」という日本政府の傲慢かつ強圧的な態度を比べてみて

「どっちもどっち」と言えるのか…といえば、そんなワケないやろ…となるのが

これまた至極当然だと思うのです

(そやかて、沖縄がこれ以上、どんな譲歩(≒歩み寄り)をしなければいけないんですか?)


なのでこの問題は日本政府と沖縄県が互いに「歩み寄ることが期待される」ような事柄ではなく

沖縄県の民意を尊重する…という以外にはその解はないはずです

さらに、「平行線」の結果とは「同じ状態のまま」…ということなんだけども

日本政府と沖縄県の意見の相違がそのままで

「同じ状態のままなのか」(≒事態が進んでないのか)…と言えばそんなことはなく

日本政府は沖縄県の度重なる反対意志表明をまったく無視して

今でも新基地建設工事を続けてるわけでして、

これでは「両者平行線で物事が進まない」…ではなくて

「日本政府が沖縄県の民意を無視して工事を続行中」…というだけの話なので

やはり、「平行線」という言葉を使うのは不適当であると思うのです


なので、今回の沖縄県知事と防衛大臣との会談を記事にするならば、その見出しは

「日本政府、今回も沖縄知事選で示された民意を無視」…とか

「日本政府、沖縄県の民意を無視して基地建設を強行」…とか

そういう表現にして、読者に対して正確に状況を解説すべきでありましょう





※日本政府は、辺野古に米軍の新基地を建設する理由に

「普天間基地の危険性の除去」という口実を使ってます

この理由づけは、一見、沖縄県のことを考えているように見えますけども

沖縄県からすれば(≒沖縄市民からすれば)、米軍が沖縄占領中に「強制収用した」…

なんて言い方だと、これまたその実相があやふやになるので、もっと端的に書きますと

米軍が沖縄を占領してるときに「沖縄の人から盗った土地」につくった普天間基地を返せ…

というだけの話、つまり「盗ったもんは返せ」という、これまた至極当然の話…です


ところが、日本政府(とアメリカ)は沖縄に対して

「盗られたものを返してほしければ新しい土地をよこせ」

(=普天間を返してほしかったら辺野古をよこせ)

…と言ってるわけでして、この理屈はまさに「強盗の論理」…

ということで、(盗ったものを素直に返そうとしない)「強盗の言い分」と

(盗ったものは返せという)「沖縄県の言い分」が

互いに歩み寄ることが期待される…なんてことはあり得ないのであります

民意を押しつぶすことに「本気」なんだとさ

「本気」とうのは、「真面目に、真剣に」という態度のことなので

「本気度」とは、「真面目度、真剣度」のことになるんだけども

この国の政府は「沖縄の民意を踏みにじることに本気」だと

その真剣さをはっきりくっきり示してはります…↓

国、対話要求を拒否 工事再開 前のめり 
政府関係者「本気度示した」 辺野古対抗措置

琉球新報 10/18(木) 5:34配信

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡り、沖縄防衛局は17日、沖縄県の埋め立て承認撤回への対抗措置に踏み切った。約8万票差の圧勝で誕生した玉城デニー新知事が対話での解決を求めた矢先に、政府が法的手段に訴えたことにより、県側の反発は必至だ。県は引き続き協議を求める一方、法的な対抗策を検討する。国と県の対立は法廷闘争の一歩手前まで来た。辺野古新基地建設問題は再び重大な局面を迎える。〜

 17日に政府が法的措置に踏み切ったことを、多くの関係者が驚きをもって受け止めた。一つは時期だ。県内選挙への影響を考慮して、21日投開票の那覇市長選が終わるまでは政府は対応を控えるとの観測があった。政府関係者は「あえて地元の事情に配慮せず対抗措置を取ることで、政府の本気度を示した」と語った。〜

(それにしても、「オレたちゃ、(沖縄の)民意を無視することに本気やで…」というのは
 およそ民主主義国(≒国民主権の国)の政府の言うセリフとは思えませんな…)


このたびの暴挙に関して防衛大臣は

「(沖縄県知事)選挙で示された民意は真摯に受け止めなきゃいけない」と言いつつ

「抑止力を維持しながら沖縄の負担を少しでも軽減していかなければならない」と言って

辺野古新基地建設を正当化?してはるんですけど

沖縄の市民は「辺野古新基地建設が沖縄の負担軽減にはならない」と判断してるから

新基地建設に反対し続けてるわけでして、

その民意を真摯に受け止めるならば、新基地建設は止める…という結論になるしかないんです

(それが「合理的論理的因果関係に基づく結論」ですよ…)


にも関わらず、沖縄の市民がいくら反対しようと問答無用、対話拒否で

アメリカ海兵隊のために「新しくて広大で使い勝手のよい基地」をプレゼントするんだ…

その気持ちは本気だぜ…というのは

もう、どこからみても「植民地政府」そのもの…でありまして

もし、このような政府をもつことを「屈辱」だと感じる感性がないなら

その人も植民地住民であることに「本気」なんだろうと思います…

(=よき植民地住民であることに「本気」ってことね…)




※付録

みなさんね、一般論として…というか、どこかの外国の話として

「民意を無視することに本気な政府」なんてもんがあったとしたら

そんな政府は怖ろしい…とか

そんな国の住民は(弾圧されて)気の毒だ…なんていう心情を抱くんやないでしょうか

(ぼくはそうですけどね…)


で、今、この国の政府が沖縄でやってることは

「民意を本気で無視する行為」であるところ、それを見てて、

なんか怖いな、この政府…とか

沖縄の人々はずっと基地負担を強いられて気の毒だ…とか

そういう心情を抱かないですかね?


民主主義っていうのは、多数決の名の下に

「多数派が少数派を迫害できる制度」ではないので

沖縄だけに過重過酷な負担を強いることを「日本全体で多数決で決めた」としても

そんなもんは民主主義の名で正当化はでけへんのです

(=そんなのは民主主義とは言わんのです)


だから、今、この国は

真の民主主義に向かうのか(≒真の自主独立に向かうのか)

それとも、体裁だけ民主主義でその実態は「非民主的な21世紀型の植民地」であり続けるのか…

という重大な岐路に立ってるんです


差別を傍観することは差別に加担することである…

差別は差別を傍観する者によって支えられる…

それは動かしがたい真実でありますので

この問題を「沖縄県(民)VS日本政府」という狭い構図で見て

(本土に住む)自分は部外者…と逃げるのはやめないといけません

「平行線」じゃなくて、「聞く耳持たない」なんだけどな

「平行線」なんていうと、意見の相違で物事が一歩も進まない…みたいな

イメージになってしまうと思うんだけど、

いっつもメディアはこない書くよね…↓

辺野古移設、平行線 沖縄知事と首相、初会談

朝日 2018年10月13日05時00分

 安倍晋三首相は12日、先月の沖縄県知事選で初当選した玉城デニー知事と首相官邸で初めて会談した。玉城氏は公約に掲げた米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設反対を主張。首相は改めて移設を進める考えを示し、新知事を迎えても双方の主張は平行線に終わった。〜

そんでも、よく考えてみると

この話は「両者の主張が平行線」だから、物事が進まない…という展開にはなってないですよね

(だって、「両者の主張が平行線」でも、自民党政権は
 このまま辺野古新基地建設を強行するつもりなんだから…)


つまり、今回の沖縄県知事選挙も含めて、

沖縄が何度も示してきた「辺野古新基地建設反対」の民意を

自公政権が重ね重ね無視する構え…ということなんだから

これは「平行線」と形容するよりも

沖縄の声を「聞く耳持たないアベ首相」と表現すべきでありましょう





※ぼくね、この会談の映像はニュースでチラッと見てましたけど

こんな光景があったことは知りませんでしたわ…↓

そう、沖縄はもう、今まで「何度も何度も重ねて」辺野古新基地建設はダメだ…

と言うてるんですよ

で、その「動かしがたい事実・現実」を示されて、
 
アベくんがなんて言ってるのか…といえば↓

ここまでの受け答えはボクだって賛同する…

(だって、「この現状は(到底)是認できるものではない」からです)

それで、それで…?

(おっと、またもや出た「(沖縄)県民の皆様のお気持ちに『寄り添いながら』…)

ところで、アベくん、君、面談相手の玉城知事の方を見ないで

いったい、どこを見てるんだ…???

(…って、なんか、斜め下を見とるな、このオッサン…)


「基地負担の軽減に向けて…着実に結果を出していきたい」…

そない言うんなら、その通りにしてくれはったらよろしいねん…

(つまりは、普天間基地を返却してもらう…ということで)


それはそうと、まだ、斜め下を向いとるな、アベくん…


って、君、机の上に置いてあるカンペ(原稿)読んでたんかい!


こんな失礼で無様で常識外れの光景を見せられた玉城知事…は

何とも言えない表情をしてはるがな…

(それにしても、冒頭の朝日の記事の写真は、この写真を使うべきやったよね…)


カンペ棒読みのアベくんと違って、

玉城知事はちゃんとアベくんの顔を見ながらしゃべってはる…↓

…ってか、それが「二者面談の常識・礼儀・マナー」ってもんでしょ


で、その「沖縄の声」に「沖縄の皆さんのお気持ちに寄り添って」と繰り返すアベくんの返答は…

沖縄の声なんか、「聞く耳持たんぞ」ということ…

(ここね、正直に、
「ボクは沖縄の皆さんよりもアメリカのホワイトハウスの気持ちに寄り添うのよ」
「そうしたいボクの気持ちに寄り添ってるのよ」
 …と(コトの是非はともかくとして)日本語を正しく使ってもらって、
 はじめて「会話が成り立つ」のではないかね…?)


ところで、ANNニュースでは、こういう映像をちゃんと流してくれたようなんだけども…

見たくないけど一応チェックしたNHKの7時のニュースでアレがなぜか右斜め下ばかり顔向けて変な動きしてると思ったらカンペだったのですね!NHKは忖度してカンペ映さないようにアレの顔だけ映してるから、誰か通訳でも右下にしゃがんでいるのかと思いました。しかも玉城新知事と絶対に目を合せずwww
(ひとさまのtweetより)

「皆様のNHK」ならぬ「アベさまのNHK」はちゃんと忖度して

「アベさまのご機嫌を損ねるような映像は流さなかった…」ということでした…