2016年06月

これは報道の「自由度」の話やなくて、報道の「政権忖度度」の話である

この件に関しては、ぼくも、けっこう疑ってたんやけど、やっぱりな…というのが、これ…↓

元航空自衛隊空将なる人物が流した「中国軍機が攻撃態勢」は事実無根と判明した。選挙前とはいえ、ここまでウソをついて許されるのか。しかもそれをマスコミは確認もせず、すべて報道してしまった。毎回国政選挙前に流される中国と北朝鮮の脅威報道。
(↑ひとさまのtweetより)

では、念のため、マスコミがどんな報道をしてたのか…も、見ときましょ…

中国機、空自機に攻撃動作 空自OB指摘、防衛省幹部認める(共同通信:2016/6/28)

 元航空自衛隊航空支援集団司令官の織田邦男元空将は28日、インターネットのニュースサイトで、東シナ海上空で中国軍の戦闘機が空自の戦闘機に対し「攻撃動作を仕掛け、空自機が離脱した」とする記事を発表した。詳しい日時などは記されていない。防衛省幹部は、共同通信の取材に大筋で事実関係を認めた。〜

そして、多分、この共同通信の配信を各メディアがそのまま採用して…↓

中国軍 空自機に攻撃動作 空自OB指摘(毎日新聞2016年6月29日)

空自創設以来初めて、実戦によるドッグファイト

 元航空自衛隊空将の織田邦男氏が28日、インターネットのニュースサイトに、東シナ海上空で中国軍の戦闘機が空自戦闘機に対し攻撃動作を仕掛け、空自機が自己防御装置を使用して離脱したとする記事を発表した。政府は公表していないが、政府関係者は記事のような事実があったことを認めている。

 元航空自衛隊航空支援集団司令官の織田邦男元空将は28日、インターネットのニュースサイトで、東シナ海上空で中国軍の戦闘機が空自の戦闘機に対し「攻撃動作を仕掛け、空自機が離脱した」とする記事を発表した。詳しい日時などは記されていない。防衛省幹部は、共同通信の取材に大筋で事実関係を認めた。〜

このような報道になったと思いますが、毎日新聞は共同通信の配信記事にはなかった、

「空自創設以来初めて、実戦によるドッグファイト」…なんて見出しまで考えて

えらいセンセーショナルな書き方をしてましたわな…


ところが、一転…

中国機攻撃動作 事実無根と否定…日中双方(毎日新聞:2016年6月30日)

 元航空自衛隊空将が、東シナ海上空で中国軍の戦闘機が空自戦闘機に対し攻撃動作を仕掛けたと発表したことについて、在日中国大使館の薛剣(せつ・けん)報道官代理は29日の定例会見で、「事実無根だ」と否定した。

 また、萩生田光一官房副長官も29日の記者会見で「自衛隊機がスクランブル発進したのは事実だが、中国の戦闘機に攻撃動作をかけられたという事実はない」と否定した。

政府関係者あるいは防衛省幹部がいったんは認めたコトを、いともあっさり否定…って

こんなアホな…というか、こんなデタラメな話があってええのか…?


そんでもこれは「報道の自由」に属する話や、そやかて、

どんなネタをもとにどんな報道をするかは、メディアの自由やし…

そんな言い分もあるかとは思うけど…

なんで安倍さんが首相になると、報道の自由度ランキングが下位に転落するんですか? #自民党に質問


(↑ひとさまのtweetより)

日本の報道の自由度ランキングが低下の一途をたどってるところを見ると、

こんな報道は「報道の自由」の行使の結果…なのではなくて、「報道のデタラメ度」…もっと正確に言うと

「報道の政権忖度度」の話であって、こんなコトをやっとるから日本の報道の自由度が下がんのや…と

その点に関しては、妙に納得した次第であります


で、こういうコトは「メディアの報道」だけの話ではなく…

“事実誤認” 民進が東電と調査委員3人に抗議 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160630/k10010578681000.html … “委員会の調査は、菅氏や枝野氏へのヒアリングを行わないなど、不公平で不十分であるうえ、参議院選挙の前に公表したことは、民進党に対する選挙妨害と批判されてもやむをえないもの”
(↑ひとさまのtweetより)

メディアでない企業や組織が対外的にどんな情報をどんなタイミングで発するのか…ということからも

その「政権忖度度」が測れるわけでありまして、

現在の日本は、メディアのみならず、社会的に影響力のある企業や団体が自民党の味方をして

怪しい(一方的な)情報を流してる…という、なんとも言えん社会になっとる…というお話でありました

(こんなん、「仁義なき戦い」を通り越しとるで…)




※デタラメを広める…なんてことは、もとより許されないのでありますが

都合の悪いことにはダンマリを決め込む…というのも、ウソをつくのとおんなじくらいに悪いことです↓

民進質問状、回答を拒否=萩生田官房副長官【16参院選】(時事通信 6月30日)

 萩生田光一官房副長官は30日午前の記者会見で、民進党の岡田克也代表が安倍晋三首相(自民党総裁)へ送った参院選の争点に関する公開質問状について、回答を拒否する考えを明らかにした。萩生田氏は「既に選挙戦が始まっている。候補者を擁立しているのは民進党だけではなく、不公平になる」と理由を説明した。 

不公平も何も、現時点で、野党の党首が自民党総裁の安倍ちんに「公開質問状」を出してるのは

民進党だけ…とちゃうのん?

(それなのに、何が「不公平」なのよ…)


菅ちんといい、この官房副長官といい、自民党の幹部が言うてることは「まったく当たらない」ことばっかりで

ぼく、もう、どうしたらええのか、わかりませんわ…

(こんな人たちと「議論」なんかできるとは思えんよな…と、真剣に考えてる、今日この頃…)




※ところで、自民党が自ら「自民党に質問」というハッシュタグまでつくって質問を広く募集しておきながら

集まる質問が「都合の悪いことばっかり聞いてる」から…なのかどうか知らんけど

今まで回答がない…のと対照的に、共産党は「耳の痛い質問」(…と言いつつ、そのほとんどは中傷の類やけど)にも

ちゃんと答えてまして、こんなところにも両党の本質的な違いが如実に出てますね

(興味のある方は、『共産党に質問 まとめ』と、『自民党に質問 まとめ」を比べてみてください)

参院選挙参考情報集…その6

ネットで見つけた参院選挙関連の情報を行き当たりばったりで紹介する「参院選挙参考情報集」…

それでは、さっそく行ってみよう!

(以下、ひとさまのtweetから…)

こんなはずじゃなかったと国民投票が終わってから英国民が後悔していますが夏の参院選後の日本もそうなりますよ…憲法改正?緊急事態条項?そんなの言ってなかったじゃないか!と言っても遅いですよ 自民党公約の最後の方に小さく小さく書いてると言い張りますよ彼らは

イギリスの国民投票を見てて思うのは、言うまでもなく「後悔先に立たず」…ってことですけど

国民投票が終わってしまったイギリス市民と違って、ぼくらはまだ間に合う…

ということで、ぼくたちは、後悔しないで済むような投票をしたいものであります


高校の時は、「自民党が憲法改正したいって、どうせ自衛隊の関係で9条だけやろ?」と思ってたけど、大学で法律を学ぶ過程で今まで見向きもしなかった自民党改憲案を見たら「なんじゃこりゃ、、 人権条項手付けすぎ」と言った感じで凄くショックを受けましたから、実態把握できてない人多いと思う。

ぼくたち「古い世代の人間」にとっては、自民党が「憲法9条に手をつける」ということが

最も最悪な形の憲法改定であったので、ぼくは正直言うて、このtweet主の

「自民党が憲法改正したいって、どうせ自衛隊の関係で9条だけやろ?」…という感覚は理解しがたいところがあります

そやかて、自民党が憲法9条をいじる…ということは、

事実上、憲法の平和主義を棄てて、集団的自衛権もOK…ってことになるのであり

それは「自衛隊員が海外に出て行って戦争する」というコトで、

不可避的に「自衛隊員が人を殺し、あるいは殺される」という話になるからです

(ぼくには、自衛隊員は死ぬかも知れないけど、自分は大丈夫そうだから…なんていう感覚はないし)


そんでも、自民党の改憲草案を見ると、不利益を被るのは自衛隊員だけ…なんて話ではなくて

その改憲による不利益はあまたの市民に及ぶ…ことが確実なのでありますから

呑気に「他人事感覚」で自民の改憲を考えてたら怖いことになるで…という指摘は

その通りであると思います


そして、それは元自民党総裁のあの人も言うてて…

自由はある日突然なくなるものではない。…目立たない形で徐々に蝕まれ、気がついたときにはすべてが失われているような過程をたどります。わずか数十年前に、このような経験をしたわれわれは、将来に向かって自由の制限につながる…兆候に対し…監視する必要があります(宮澤喜一『新・護憲宣言』p.3)

昨今の『政治的狩り』(=「政治的」であるという言いがかりで、表現活動が制約されること)を見てると

日本には明らかに「自由の制限につながる…兆候」があります

そして、これは「改憲後の予行演習」とも言うべき事態なのでありまして

表現の自由をはじめとするすべての人権が、

自民党の改憲案のように「公益または公の秩序」に劣後する…ということになれば

現在の『政治的狩り』なんてまだまだ甘かったよな…と、後から振り返るようなことになるのは確実です

だから、「今止めないといけない」「今しか止められない」のでありまして

そういう点でも、来たる参院選挙は「自由を守る戦い」だと思います

(→「自由を守る」ってことは「自由を守ってくれる憲法を守る」ってこととおんなじ意味よ…)


戦後70年、大地震など緊急事態は数々あったが、国民の人権を憲法で制限しなきゃならない事態なんて一度だって無かった。つまり今、政権が改憲主張しているのは緊急事態対策ではなく、その目的が人権制限にあるということだ。理由はただ一つ、国民の人権ほど国家権力にとって邪魔なものはないからだ。

自民党は憲法改定第一弾として、「市民に抵抗の少ない『緊急事態条項』を…」という作戦に出てるようですが

思えば、敗戦後、この国を襲った数々の大災害や大事故の際に、

憲法に緊急事態条項がなかったから、更に被害が拡大した…なんて例は思い浮かばないのであります

だって、考えてみてください

フクイチの爆発事故のとき、ぼくたちは「政府(と東電)の情報隠し」に怒ってた…わけですけど

もし、あの当時、憲法に緊急事態条項があったとしたら、間違いなくそれは発動され

「表現(報道)の自由」は制限され、「市民の知る権利」も思いっきり制約されたことでしょう

だから、緊急事態条項で何がしたいのか?…と言えば、このtweetが言うように

「市民の自由を制約したい」という目的が先にある…ということになってるので

効果なんか最初からないとわかってて、かえって、あった方が大変な目に遭うハメになる緊急事態条項…

なんて話に乗ったらあきません…

(もちろん、緊急事態条項だけの話ではなくて、自民の改憲に乗ったらエライ目に遭う…という話でもあります)


自民党は教員が政治活動すると、懲役刑を科す法律を今年の秋に成立させる予定だそうだ。教室内で高校生に特定の政党の支持を訴えるのは問題があるとしても、学校の外で特定の政党の支持を教員が訴えるのは、憲法で保障された政治活動であり、それまで罰則対象にされたら、独裁政権下の政治的三流国

公務員(教職員を含む)だって、「個人の自由」はある

そして、「政治活動の自由」というのは、最も尊重されるべき自由でありまして

公務員であっても「その地位」を利用しない私的な場面での政治活動の自由は、

制約する理由を見つけることが難しいくらいの話…であります

また、「高校生にも選挙権」という話と「学校の先生の政治活動の自由の制限」はまったく結びつかない別個の話…

なのでありまして、こんなコトを目論む政党には「自由」の意味がわかってないとしか言いようがありません

(→だから、こんな政党が政権をとってる国は「独裁国」みたいなもん…ってことね)


白馬に乗った王子様は現れません。理想像を待っていたら一生投票できません。 この選挙は、いつもの参院選と重要度が違います。 「いろいろ上手に危ない方へ連れて行く」側か、「いろいろ下手だがそれに対抗する」側かを選ぶ正念場です。

ぼく、今回取り上げたtweetのなかでは、これが一番印象的なもんでして

「理想像を待ってたら一生投票できない」というのは、まったくその通りであると思います

というか、自分自身が政治家にでもならない限り、

自分の政治信条や希望と100%合致する政治家や政党と出会うことなど、事実上不可能なので

「政治とは妥協」(≒「投票とは妥協」)と割り切ってもろて

それでも妥協できないところで合致する政治家や政党に投票する…か

「妥協できない度」の軽い政治家や政党に投票する…という選択がよろしいかと思います

(ちなみに、「白馬に乗った王子様」は女の子が憧れその出現を待っているもの…ではありますが
 ここはまぁ、一般的な「理想の状態を期待する心情を表す比喩」として受け止めて頂いて…
 なんてことを、tweet主でもないボクが言うのは、変かな…?)


…と書いたけど、このtweetを先に紹介したらよかったかな…

選挙のときに自分の意見と完全に一致する候補者がいることは稀だ。それでも誰かを選ばなければならない。その時に問われるのが自分自身の価値観だ。何を最も大事にするのか。どんな違いなら許せてどんな違いなら許せないのか。その過程で他者との違いを発見し、自分自身をより深く理解するのである。

「何を最も大事にするのか。どんな違いなら許せてどんな違いなら許せないのか」を考えることは

自分がどのような価値観を持ってるのかを自覚することにもなります

そんでも、そんなコト考えんの、めんどくさい…

そういう方には、毎日新聞の「えらぼーと」(http://vote.mainichi.jp/24san/)で

自分と政党(あるいは政治家)との意見の一致度を簡単に知ることができるので

一度やってみてはいかがでしょうか…

(…と言いつつ、その結果を鵜呑みにするのも危険ではあります…って、どっちやねん!)

参院選挙関連情報…怪情報篇

選挙になってから出てくるニュースや記事には、信頼できないものや

どない受け取ったらええのか、よくわからないものが多いんですけど

この記事もそんな記事の一つです…

自業自得【公明党 参院選 まさかの苦戦】古い支持者が動かない 支持者を裏切った結果か 山口代表は今頃になって、自民党の改憲草案について「いろいろ課題がある」と言い出すなど、慌てて「平和の党」を装おうと必死だ(日刊ゲンダイ)

いや…、その…、「公明党が苦戦」…なんてことはあり得ない話なので

この記事はいったい何を訴えようとしてるのか、ぼくにはよくわからないところです


日刊ゲンダイは基本的に「小沢新聞」なので、公明党(ソウカガッカイ)の危機感を煽って組織の引き締めを図る…

なんていう裏の意図はあり得ないはず…なんですけど

こういう「あり得ない話」をされると、なんか、違和感がありますわ


公明党はソウカガッカイの票を固めるだけで十分に勝てる…ところ

事前の予測においても、公明党は改選議席数を上回ることがほぼ確実視されるほど「絶好調」ですので

こういう記事を載せる意味って、なんかあんのか?…と、ぼくは思わずにはいられません

(こんなん、素朴に考えて、「ガッカイの組織引き締め効果」+「野党支持者の油断を誘う効果」しか期待でけへんやんけ!)


また、ガッカイ員のなかには、「現在の公明党の姿に失望してる人もいる」というネタもときどき見かけるんですが

その数や微々たるもの…なので、そういうネタは「ガッカイガス抜きネタ」の域を出ないもんやとも感じるところです

(ちなみに、公明党が苦戦するのは、「投票率が上がって、固定票の強みが薄められたときだけ」なので
 まずは投票率を上げること…が大事です)


で、その公明党でありますが…

岡田氏、山口氏の批判に「ヤキモチやいてるのかなぁ」(朝日:2016年6月30日)

 民進党の岡田克也代表は30日、公明党の山口那津男代表が岡田氏と共産党の志位和夫委員長の名字をつなげて「おか・しい」と両党の共闘を批判したことについて、「(山口氏に)それだけ焦りもあるのではないか」と反論した。千葉県柏市で記者団に語った。〜

そんな「オッサンギャグ」をかまさんとあかんとこまで堕ちたのか…という、目も当てられない状況のようです

(でも、ガッカイ員がちゃんと目を当ててくれるっていう安心感があるから、
 山口くんはこんなオッサンギャグをかましてるんだよね?)




※日刊ゲンダイはこの他にも

永田町の裏を読む 改憲派で3分の2議席をかすめとる作戦に暗雲」なんていう、

極めて呑気かつ楽観的な憶測記事まで掲載してて、野党支持者を油断させたいんだか、

自民党の引き締めを図りたいんだか、よくわかりませんわ…


ちなみに、上記の記事には

「今のところは、すべてが自民に有利に傾けば3分の2達成もあり得るし、
 すべてが逆に振れれば自公過半数割れもないではないという、一層大きな振幅の間でみておくしかなさそうだ…」

なんていう、「あり得ない振幅」が披露されてますけども、選挙区選挙の振幅はともかくとして、

比例区の投票先の調査を見る限り、「自公過半数割れ」なんていう可能性は限りなくゼロに近い…ので

よい方向であれ、悪い方向であれ、「話を膨らませすぎる」ヤツはアテにならん…という受け止め方でよろしいかと思います

自民の改憲案は酷すぎる…その7(家族篇)

参院選挙で自民党(と公明党とお維の改憲与党三党)が勝ったら
もれなく憲法改定がついてくる…

というのに、自民党は選挙活動のなかで憲法改定の具体的中身をまったく話してくれへん…

ならばぼくが自民党の改憲案の宣伝(…というか批判)をして、

そんなコトはゴメンだ…とみなさんに気づいてもらおう…というシリーズの7回目、

やっぱり、人の書いた記事をベースにすると、調子が出ないことがはっきりわかったので

もう、朝日の記事を紹介するのは止めて、自由に書いていきたいと思います…

(最初から、そないすべきやったな…)


まず、自民党の改憲案のこの条文を読んでみてください

第二十四条

家族は社会の自然かつ基礎的な単位として尊重される
家族は、互いに助け合わなければならない

この条文は現行憲法で対応する条文がなく、わざわざ「新設」したもの…なので

自民党が「個人を」…ではなくて「家族」というものをとっても大切に考えてることがわかります

そんな自民党は、家族を「社会の自然かつ基礎的な単位」だと言うとるわけですが

現在、一人世帯が最も多くなってしまってる現状を考えるならば、

「家族が社会の自然かつ基礎的な単位」って言われてもなぁ…と、ぼくは思います


そんでも、「一人世帯(一人家族)」も家族や…と言えなくもない…なんていうのは、

はっきり言うてちょっと無理な気がするので、自民党のいう「家族」には「単身世帯」は入ってないんでしょう

だって、安倍ちんは家族について、その著書のなかで

「『お父さんとお母さんと子どもがいて、おじいちゃんもおばあちゃんも含めてみんな家族だ』という家族観と、
『そういう家族が仲良く暮らすのがいちばんの幸せだ』という価値観は、守り続けていくべきだ」

…と言うてはるので、やっぱり「家族」のなかには「単身世帯(一人暮らし)」は入ってなさそう…


そんでも、現実に(一緒に暮らしてる)「家族」の形はいろいろある…し

どんな家族構成で世帯を形成するか…なんてことは、

それこそ「個人の自由」(あるいは、生理的経済的社会的事情などで左右されること)でありまして

「あるべき家族像」なんてものを国から押し付けられる理由はないのであります


だから、安倍ちんが個人的にどんな家族像を大事にしたいと思うのも自由…ではありますが

それを他者に強制する…ましてや、憲法に「家族は大切」…なんて個人的価値観を書くのは筋違いもええとこ…です

(言うとくけど、憲法って、権力者の「個人的価値観を実現する手段」とちゃいまっせ…)


そら、家族は大切かも知れません、けど、人は家族の一員だから尊重される…というのもおかしな話…

つまり、人が、誰かの子どもであることで尊重されたり、誰かの親であることで尊重されたり、

誰かの孫であることで尊重されたり、誰かの祖父母であることで尊重される…なんてことはおかしな話であり、

人は、そういう「関係性」を離れて、あくまでも「個人として」尊重されるもんのはず…なんです


自民党は、どうも、人を「個人として」尊重する…ということがとってもイヤなようで

個人の尊厳を定める憲法13条1項の「すべて国民は、個人として尊重される。」という規定を

「全て国民は、人として尊重される。」という、意味不明な…というか、価値不明な条文に変える予定でありまして

「人は個人として尊重される存在なのだ」という「個人の尊厳」を骨抜きにするつもりです


そして、「個人の尊厳」に代わって登場するのが、この「家族の尊重」…でありますが

そこでは、尊重と同時に、「家族助け合い義務」という新たな義務まで登場してきて

そのための「家族の尊重」かい!…と、ぼくは、大いに疑うところです

(なぜなら、「家族は尊重される」と規定しつつ、その家族は「互いに助け合わなければならない」とするならば
 家族は「助け合う単位として尊重してあげるよ」というくらいの意味になるので…)


で、その理屈で言えば、「互いに助け合わない家族は尊重しないよ」…ということになって

家族間で疎遠になりがちで、助け合いが期待できにくい「単身世帯」は、

一人でなんとかやってちょうだいね…という「自己責任の話」に繋がるのではないか…とも疑うところです


また、家族助け合い義務は、生活保護を削減するための「親族間の扶養義務」を強化する方向に働くのは明かであり

このような改憲が通れば、遠からず、

生活保護は「扶養義務者の扶養(援助)を優先的に受けることが前提」にされることでありましょう




※自民党の改憲案では、24条2項において、家族・婚姻に関し、

「婚姻は、両性の合意に基づいて成立し」と規定し直して、現行憲法の

「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」のなかの「のみ」という文言を削ってしまいました

この点、現行憲法でなぜに「のみ」という文言をわざわざ入れてるのか…と言えば

それは、婚姻が「当事者間の合意だけで」決めることができる…ということを示したもの…であり

それは、婚姻に関して「当事者以外の誰の許可も必要としない」旨をはっきり宣言してるわけです

つまり、この規定は「家父長主義」がはびこっていた戦前において

婚姻が当事者の合意を無視して(親の意思で)強制された例が多々あったこと…から

人は「個人」として尊重されるのだという「個人の尊厳」を婚姻に適用すべく設けられた規定であり

それを変える理由はまったくないはず…なんです

それなのに「のみ」という文言を削った…のは、それなりの意図があるわけで

その意図が、「婚姻は当事者間だけで決めるもんじゃない」という、

古い価値観の復活であることは明白…でありましょう

参院選挙参考情報集…その5

ネットで見つけた参院選挙関連の情報を行き当たりばったりで紹介する「参院選挙参考情報集」…

それでは、さっそく行ってみよう!

(以下、ひとさまのtweetから…)

青山繁晴さんが自民党から出馬なさるとのことなので、いちお民主党政権のとき(2011年11月)にTPPについてどう評論なさってたかだけ置いときますね


(これね、tweetにくっついてた動画とは違う動画なんですけど、ユーチューブで見つからなかったので
 おんなじ番組の同じコーナーの動画をくっつけてます)

この動画の最初の方で、青山は「TPP反対です!」と明言し、続けて

「まず、けしからんでしょう、なんなのTPPって…
 野田総理は可能な限り国民に説明してきたと既に言ったじゃないですか!
 ウソつくな! 野田総理!
 ホントに腹立つよね、これね…」

と、画面に向かって大声を張り上げとったんですが、

自民党は青山が反対だと明言したTPPを思いっきり推進してきた党であり、かつ

交渉中も、そして、交渉妥結後も、その内容をほとんど国民に説明してくれないのであります

そんな党から参院出馬する青山には…

「まず、けしからんでしょう、なんなの青山繁晴って…
 アンタはTPP反対って視聴者に既に言ったじゃないですか!
 ウソつくな! 青山繁晴!
 ホントに腹立つよね、これね…」

と言うておきましょう


公明党元副委員長の二見伸明さんのtweet…

公明支持者の皆さん。信仰は信じることありき、は正しい。しかし民主社会では政治は疑うことから入る、が正しい。安保法制で平和が守れるのか、アベノミクスで生活が楽になったかと疑うことが大事だ。創価学会が支持している公明党だからといってその主張を鵜呑みにしてはいけない。子や孫のために。

…なんてコト、百万回言うても、聞く耳持たんのやろなぁ…


景気は右肩下がり
貧困は拡大
出版不況続く
停滞する震災復興
緊張度を増し続けるアジア情勢
ヘイトスピーチ蔓延
憲法すら骨抜きにする政権

これで「民主党政権よりマシ」と言ってる人は単に安倍がやることなら何でもいいってだけでは。

ぼくね、民主党政権でガッカリしたのは、

普天間基地についての「最低でも県外」という公約が守れなかったこと…やと思てますけど

それ以外に特に酷いと感じるような失政はなかったと思てるんです

(…と言いつつ、菅政権が朝鮮学校を無償化の対象に含める判断を留保し続け、
  結局、排除したことにも深い失望を感じたけどな)

なので、「民主党政権は混乱ばっかり」とか「暗黒の時代」なんて言うのは、

単なる「自民党(あるいはその支持者の)作り話」だと思てます

(「つくり話」を前提に公党を批判するのは反則…と言いたいトコやけど、
 そんなのは批判にもなってなくて、端的に中傷に過ぎません…)


改憲勢力が2/3奪取した場合、これはもう、3年以内に国民投票をする覚悟をしなければならない。国民投票はそれだけでも数百億円はかかるイヴェントになる。で、改憲派/護憲派に分かれた日本国民は、経済再生などそっちのけで、そこにエネルギー費やす訳です。沈みゆく泥舟の上だというのに。

参院選挙で改憲勢力が2/3を取れば、「こんなチャンスはそうそうない」…とばかりに

「最優先で憲法改定に突き進む」のは確実であります

そうなれば、このtweetが指摘するように、「社会保障や経済は後回し…」にされ、

国内の混乱と疲弊はますます進む…のもまた確実です

なので、「アベノミクスこそ争点、経済こそ最重点」と訴えてる自民党の詐欺トークには

騙されないでくださいませ

安倍自民党の本音は「憲法改定こそ最優先、その他は後回し」…ですので)


例の立憲主義を東大で学ばなかった磯崎陽輔参議院議員が自民改憲案に人権を制限する条文は無いと平然と繰り返すのでそもそも国民に人権を保障してる第97条そのものを削除してるじゃないかと指摘したらブロックして逃走。反論出来ないらしい

ちなみに、自民党が改憲草案で現憲法から丸ごと抹消してしまった97条には

「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、
 人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、
 これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、
 侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」

と書いてありまして、これは「基本的人権の普遍性および不可侵性」を確認するとっても大切な条文です

この条文を丸ごと抹消した…というのは、要するに

「基本的人権の普遍性および不可侵性」の確認なんかいらん、だって、そんなこと認めないもん…

というコトであります

加えて、自民の改憲草案では、人権は「公益および公の秩序(という国家の利益)」に反しない範囲で認める…

ということになってて、「思いっきり人権を制限してる」のでありまして

この「自民改憲案に人権を制限する条文は無い」と平然と繰り返す人は、

単なるウソつき…か、日本語の読解能力がほとんどない人…ということでええかと思います

(みなさん、この人や片山さつき、あるいはマスゾエくんを見てたらわかるとおもいますが
「東大卒」って学歴だけで「うわぁー」なんて反応したらあきませんよ…)


そう思うなら野党に入れろよ。見直すわけないだろうが。
アベノミクス見直しを求める回答が58% | 2016/6/2 - 共同通信 47NEWS http://this.kiji.is/111049881184681989

昨日のNHKの世論調査では、アベノミクスへの評価がほぼ拮抗しとったんですが

今までの世論調査では、「評価しない」割合の方が多かったと思います

この点、安倍自民党の参院選のキャッチフレーズは「この道を。力強く、前へ。」であるところ

安倍ちんはそれを「参院選はアベノミクスを前に進めていくのか、やめてしまうのか、前進か後退かを決める選挙戦だ」…

と説明してますので、「アベノミクスは見直した方がよい」と思っているなら

自民党に投票…なんて、あり得ない選択だと素朴に思います