2015年04月

大阪市解体には反対…人と企業がくるワケは…

大阪市長の橋下徹くん、大阪市解体を訴える街頭演説では、東京メトロの路線図を示しながら

「もうすごいですよね。便利ですよ。人も来ますよ。企業も来ますよ、そりゃ」

…と、例の漫談のような身振り手振りと表情で、熱弁を振るってはります


しかしながら、東京に「人が集まって、企業も集まってくる」のは

東京が「首都」だから…でありまして、東京「都」という「名称」が人と企業を呼び寄せるわけではございません

(そんなコト、小学校高学年になったら、理解できる話やと思います)


それなのに、徹くんは大阪市を解体して、東京都のように「特別区」なるもんをつくり

形だけ東京のマネをし(将来的に「大阪都」と名称変更をし)たら、

大阪が東京みたいになる…と、子どもでも騙せないようなウソを平気でついてはりますねん


子どもではない大人のみなさん…というか、大阪市の有権者のみなさん

大阪府に特別区をつくって、名称を「大阪都」にしたとしても

大阪が東京みたいになる…というのは「絵に描いた餅」どころの話じゃありません

(→こんなん、最初から「ない話」です)


大阪市民のみなさんは、多分、「大阪が好き」な方が多いと思います

そして、その「大阪が好き」という気持ちから「東京への対抗心」を抱いてはる方もたくさんいてはると思います

そんな人にとって、徹くんの説く「大阪都バラ色物語」(=大阪都になれば東京都みたいになれるというおとぎ話)は

誠に魅力的な話に聞こえるかも知れませんが、これは「おとぎ話」…というか、端的に「ペテン」なので

どうか、大人の判断力をもって、橋下徹の説く「大阪都構想」なる「単に大阪市だけ解体する構想」のウソを見抜いて

我が街大阪市を解体することには反対して、大阪の自治を守って頂くようお願い申し上げます…

大阪市解体には反対…特別区制度はもう古い

なんか最近、「大阪市解体構想」のことばっかり書いてて

大阪市民でないほとんどの人には退屈に映るかも知れへんのですけど

なんか、このままではホンマに大阪市が解体されてしまいそうな情勢になってて

大阪市民のぼくとしては、お尻に火がついた状態なので、住民投票の日まで、

大阪市解体絶対反対の立場からのエントリーをこれからも続けて書いていこと思てます


で、大阪市民でない方にとっては、特に関係のない話ではあると思うんですけど

今のところは「大阪の問題」におさまってる橋下徹という政治的モンスターが

仮に大阪市解体が実現してしまったら、橋下徹はそれを「政治的勲章」に仕立てて国政に出て行き、

「大阪の問題」が「日本の問題」になってしまうことが確実なので

大阪市民でない皆様も、「明日は我が身」という気持ちで

「大阪市解体絶対反対ネタ」を読んで頂けたら…と思います


で、今回のネタは、大阪市を解体してできる特別区の「人口規模」と「格差」のお話なんですけど

橋下徹は当初、特別区を「中核市並み」の規模(→だいたい人口30万人前後)にするって言うとったんです

ところが、それだと特別区の数が多すぎて新しい役所もたくさんいるし…ということになって

現在の案の5つに分割…ということになったんです


ところが、この案だと、スタート時点から特別区間でいろんな「格差」が生じることになりまして

例えば代表的な格差として「人口」を比べてみますと、

最大の南区は中核市規模の倍を超える、なんと69万人…であるのに対して

最小の湾岸区が34万人…と、その格差は最初から2倍になってるんです


では、南区の69万人という人口はどんなもんやねん?…と言えば

現在、人口70万人以上は「政令市」の人口要件をみたす数字になってまして、

政令市大阪を解体してできる予定の南区は、スタート時点から「政令市レベル」の人口規模で

なんと、あともう少しだけ人口が増えたら、「南区だけで」政令市に移行できる…という

なんだかヘンテコリンな話になってるんです


ちなみに、東京23区でも政令市の人口要件を上回る特別区がいくつかありますが

その人口規模に対して、特別区の権限と財源が「一般の市よりも少ない」ことから

特別区から(政令)市への移行が現実的な議論として上がってます

(→詳しくは「大阪都構想の欠陥 東京23区の現実」を参照して下さい)


このように、橋下が目指す東京都の特別区制度は、特別区の側から見ると、

人口規模に見合う権限と予算がないことによる弊害が従来から指摘され

特別区からの(政令)市への格上げを求める動きさえある…という、

「制度疲労」を起こした古くて時代に合わない仕組みになってるのに

橋下はその「古い仕組み」をこれから大阪に導入する…と言うてるんです

(橋下の言う「改革」の実際は、こんなもんです…)


橋下は東京都のように特別区をつくりさえすれば大阪はよくなる…と

まったく根拠のない正反対なコトを呪文のように繰り返してますが

特別区制度こそ、廃止あるいは変革すべき古い仕組みでありまして

そんな基本的な知識もない橋下には、まったく行政立案能力はありません


…ということで、橋下は行政に関しては「素人同然の知識とアイデア」しか持たない男なので、

そんな人間の言うことには決して乗らないで下さいませ…




※ちなみに、大阪市を解体してつくられる特別区間の「経済格差」は人口格差以上でありまして

特別区内総生産で比較すると、最大の中央区は最小の湾岸区のなんと5倍を超えます

で、この経済格差は特別区間の「財政調整」でならす…と言われてますけども

大阪市という一体感を失った特別区間で、かかる圧倒的経済格差の「調整」がスムーズにいくわけもなく

大阪市解体後にできる特別区は「財政調整」で互いにいがみ合うこと必至ですわ…

(これ、「昨日の同一市民は今日の別区民で敵」になって、予算を取り合うって話ね…)

「当事者の第三者語り」という錯覚商法

訪米中の安倍首相が、ハーバード大学で講演したとき、学生から

「日本政府(≒日本軍)が第2次世界大戦中に数多くの女性を強制的に性的奴隷にしたが、介入したことを認めるか」

…という趣旨の質問をされ、こう答えたそうです

「(慰安婦被害女性たちが)人身売買にあい、言葉では言いようのない苦痛を味わったことを思えば
 今でも胸が痛む。この気持ちは歴代首相らと違わない」…


ええ、そりゃ、そうでしょう

意思に反して性奴隷とされた女性の耐え難い痛みを思うとき、その大きく深い傷に対して

胸が痛まない人など、まずいないと思います

でも…

安倍首相は、韓国から…だけではなく、国際社会(≒国連)から、例えば…

日本は、以下を確保するため、即時かつ効果的な立法的及び行政的な措置をとるべきである。

(i) 戦時中、「慰安婦」に対して日本軍が犯した性奴隷あるいはその他の人権侵害に対するすべての訴えは、
  効果的かつ独立、公正に捜査され、加害者は訴追され、そして有罪判決がでれば処罰すること。
(ii) 被害者とその家族の司法へのアクセスおよび完全な被害回復。
(iii) 入手可能なすべての証拠の開示。
(iv) 教科書への十分な記述を含む、この問題に関する生徒・学生と一般市民の教育。
(v) 公での謝罪を表明することおよび締約国の責任の公的認知。
(vi) 被害者を侮辱あるいは事件を否定するすべての試みへの非難。

(自由権規約(市民的政治的権利に関する国際規約)委員会 最終所見 2014年)

…という要求を受けている国の政府の最高責任者でありまして

「日本軍性奴隷の責任問題に関する当事者中の当事者」の立場にある人です


そんな人が、慰安婦に対して「胸が痛む」…とだけ答えつつ

たんに性奴隷を「人身売買の犠牲」と表現して、その人身売買の主体(=日本軍の責任)には触れず

「慰安婦問題については過去の首相たちの考えと私の考えは違わない」
「河野談話について継承することは何回か申し上げてきた。このような立場から、
 日本は慰安婦問題を現実的に解決するため努力を続けてきた」

…と、オウムのように繰り返すばかり…と言うのは、誠に「ふざけた話」です


そもそも「継承」という日本語は「そのままの形や内容で引き継ぐ」という意味であるところ

河野談話を継承すると言うのなら、河野談話のなかにある

「慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、
 慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、
 旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した」こと

「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、
 その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、
 更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった」こと

「慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった」こと

「本件(慰安婦)は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。
 政府は、…いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、
 心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し
 心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる」こと

「そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、
 有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える」こと

「われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。
 われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、
 同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する」こと

…などの内容をそのまま認めて、それを自分の口でくり返し表明し実行することが、

真の意味での「継承」になるはずなんです

にも関わらず…

安倍は、自分の口からは決して「反省」や「謝罪」の言葉を発しようとはしません


口では河野談話を「継承する」と言いながら、談話に示された具体的な内容については

決して自認はしない…これが、安倍の基本姿勢です

このような不誠実な態度と言い、当事者の第三者語りと言い

安倍には、日本軍性奴隷についての当事者性の意識が皆無であり、さらには

「20世紀にさまざまな紛争が起こった所で、女性の人権と名誉が
 深く傷つけられてきた歴史を私たちは見た。私たちは21世紀を20世紀のようにしてはならない」

…という、これまた「一般語り」によって

日本軍の所業を一般化希薄化することに終始し、

日本(軍)の責任に向き合う姿勢がまったくありません


言うまでもなく、20世紀において女性の人権と名誉を最も大規模に傷つけた象徴的な事例が

日本軍性奴隷制度…でありまして、日本はかかる歴史を「見た」側ではなく「つくった側」にあるんです

(そして、その責任に向き合い慰安婦問題を解決することを、国際社会から求められている側にあるんです)

その当事者が、個人的同情だけを語り、性奴隷制度の主体に触れず、

国際社会や被害者の求める措置に背を向け続ける…というのは

「女性の人権と名誉を大きく傷つける」という同じ過ちを、

現在進行形で繰り返しているのと同じです

(慰安婦問題(の解決)は過去の問題ではなく「現在の問題」であり
 安倍首相のみならず、日本の市民もまた、その当事者であることを、忘れないでくださいませ)

安倍ちん、米連邦上下合同会議で演説する…

訪米中の安倍首相が、日本の首相として初めて、アメリカ連邦議会上下合同会議の場で演説しました


これは一般的には、「外交的(政治的)栄誉?」…ではあるんですけど、

なんだか、雰囲気が…というのが、このtweet↓

WSJの写真選びの的確さたるや。

なんか、安倍ちんの後ろで拍手してる副大統領(上院議長)と下院議長の顔を見てると

めっちゃ不機嫌そうな感じ…

(安倍ちんの晴れがましい表情と比べると、余りにもその対比が鮮明すぎて、ぼくには眩しすぎる…)


では、今回のエントリーは、演説内容に対するぼくのツッコミは省略して

ひとさまの関連tweetをいくつか紹介して、お茶を濁しときます…(って、なんかめっちゃ手抜き…)


速報的に、真っ先にこれ。

安倍ちん、これから国会審議が始まる安保法制について

アメリカ議会で「夏までに成立させる」って大見得切って約束してます…

(なんか、日本の首相のくせに、顔を向けてる先がアメリカ…って、そらあんまりやんけ…)


「ガイジンが作ったみっともない憲法」の話はしないのか。

安倍ちんたち曰く「憲法を押しつけてきた国」に対して

「アンタたちが押しつけた(民主)憲法は気にいらんねん」と目の前でキッパリ言うチャンスやったのに

「アンタたちが期待する安保法制とTPPは任せてね…」とだけ言うのね…

(…って、なんでそないなんねん!)


「私は確かにアナクロファシストの歴史修正主義者でございますが、同時に米国の忠実なしもべでございます。どうかお目こぼしを」ってわけだ。

はい、そういうワケなので、どうかよろしく…(by 安倍ちん)


慰安婦も原爆も基地も完全スルーで終了。

はい、「侵略」だの「植民地支配」だの「従軍慰安婦」だの、そういう個別具体的なコトは言いません

「先の大戦」って言うたら、そこに全部入ってますので…

というのが、安倍ちんの「自己都合話法」なのです…


米大使館公式アカウントが大喜利募集って…、安倍の扱いよ笑

「大喜利」っていったい何のことやねん…と思たら

この写真に「キャプション(吹き出し)」(=漫画のセリフみたいなもん)をつけてみて…と

アメリカ大使館が言うてるんですね

では、そのキャプションのなかで、ぼくが気に入ったやつを…

@オバマ大統領
「アベくん、横断歩道はね、手をあげて、右左確認して注意深く渡るんだよ」

@安倍くん
「右だけ見ちゃいけないの?」

はい、右だけ見て歩くのは極めて危険です…(by 三日月ポン太)


もひとつのキャプション…

オバマ「ヘイ、アベ。日本は今日からオレ達アメリカのものだからな」

安倍「はい、よしなに。アメリカ様に全て捧げます。お好きな様にして下さいませ」

…だったりしてね

これぞ、「(自称)愛国者、率先して国を売るの図」であります…


(顔上げ拍手促す)

こんな写真、いったいどこの誰が撮りやがったんや!…と言うよりも

こんな原稿、いったいどこの誰が書きやがったんや!…って話ですな、これ…



では最後に、結びのtweetを…

We have a dream.

安倍ちん、オバマ大統領との共同記者会見の場で

キング牧師の名演説を引き合いに「We have a dream. 」とぬかしたそうですが

安倍ちんの「夢」とぼくの「夢」は真逆の内容だと思うので

勝手に「we」にすんなよ…と、強く思います

何を今さら…

安倍ちんの「訪米喜劇」は、もう、何から取り上げていったらええのか、

途方に暮れるほどのツッコミネタの宝庫で、

ホンマにええ加減にしてちょうだいよ、安倍ちん…

(書くのが追いつかへんやんけ…)


で、今回のネタは安倍ちん単独ネタではなくて、オバマさんも含んだ話なんですけど

安倍ちんとオバマさんがNPT(核不拡散条約)に関して共同声明を出したんです

そこでは「広島及び長崎の被曝70年において、我々は

核兵器の使用の壊滅的で非人道的な結末を思い起こす」との文言があって

それを日本の外務省は「ここまで明確に踏み込むのは初めてで、画期的…」と自画自賛してますねん


けどね、素朴に考えて、核兵器の使用が「壊滅的な結果をもたらす非人道的なもの」…なんてことは

もう「わかりきった話」でありまして、そんなわかりきった話さえ

今まで言うてこなかった(認めてこなかった)…というコトを

両国は反省せなかんのと違うのか…とぼくは思うんです


それに、核兵器の使用が「非人道的」であると言うなら、

それは「使用できない兵器」である…という結論に結びつかないとおかしいものを

核兵器を禁止はしない、削減についてはこれから努力していこうね…と、

なんとも歯切れの悪い話で終わってて、結局、NPT体制というのは

「核兵器廃絶ではなく、限られた国だけが核兵器を持つことの出来る体制を維持する枠組み」という

なんともふざけた内容になってるんですわ


NPTがこんなデタラメな内容で、核兵器の削減も進まないもんだから

今、核兵器をもたない国かつ非軍事同盟の国々は、

NPTに変わる「核兵器禁止条約」(核兵器の違法化)を目指してるんですが

ヒロシマ、ナガサキを経験した被爆国日本であるならば、

当然、そういう動きに合流していくべきだ…思うのに

そういうコトにはまったく賛同しないのが、我ら日本政府なのでありました…

(安倍ちんたちが好きな言葉に「日本が世界の先頭に立って…」という決まり文句があるんですけど
 こういうコトの先頭に立つ…っていうねんやったら、ぼくも例外的に応援するで…
 と言うても、あの人たち、そんなこと絶対せえへんやろうけど)



※この日米両政府の共同声明では、例によって

「NPTに加盟しながら核兵器開発を西側が疑うイラン」のことと

「NPTから脱退して核兵器を既にもってるかも知れない北朝鮮」のことが出てきてますねんけど

「NPTに最初から入らず、既に核兵器を持ってることが確実なイスラエル」への言及がありません

(おなじくNPTに非加盟で、既に核兵器をもってるインドとパキスタンについても同様です)


こういう「二重基準」(=えこひいき)は、

共同声明の「部分的妥当性」をも無意味にしてしまう誠に残念な態度でありまして

外務省が自画自賛してる今回の日米共同声明をぼくが評するならば

「こんな声明なら出さなくても大差ない」というぐらいのもんですわ