世の中には「わかりやすいワル」がいる一方で、
一見、「わかりにくいワル」もいてて、それがなんでわかりにくいのか…とゆうたら
本人が「自分は善人」と信じきってて、世間も一瞬、
その思い込みからくる振る舞いに勘違いすることがあるからやねん
そんでも、「わかりやすいワル」に騙される人は少ないけど、
「わかりにくいワル」は騙されたり善人だと勘違いしやすく、ゆえに
実は、「わかりにくいワル」(≒勘違い系の主観だけ善人)の方がタチが悪い…ということで
今回は「典型的勘違い系」(逆ギレ豹変系とも言う)である、
大沼保昭という人を取り上げてみたいと思います
この人ね、国際法の専門家で、ぼくは最初、「左翼」かと思ってたんやけど
(…って、ぼくも騙されてた一人ね)
誰も頼んでないのに、慰安婦問題にしゃしゃり出てきて「アジア女性基金」の中心メンバーとなったものの
同基金による事業が元慰安婦の方(特に韓国)にウケなかったことを逆恨みして
今まで継続的にねちこく、同事業を受け入れなかった韓国側を非難してる人なんです
(この男は一見、日韓両国を批判しているようにも見えますが、批判の重点は明らかに韓国にあります)
で、その非難の言葉は右翼のようにわかりやすいものではないものの
言うてることは右翼とほとんど一緒…というもんで、
まぁ、ぼくが説明するより読んでもろた方が早いから
つい最近、朝日新聞にこの人が従軍慰安婦の責任問題に関して、
投稿した記事を読んでみてください
(ちょっとだけ長いけど、時間のない人は太字のトコだけでも読んでね…)
(慰安婦問題を考える)「アジア女性基金の検証を」(朝日:2014年12月28日)
慰安婦問題を多角的に考えていくため、国内外の識者に様々な視点で語っていただく企画を始めます。
■大沼保昭さん(明治大特任教授)
朝日新聞の「慰安婦」報道について第三者委員会の報告が出され、社長が記者会見を行い、再生を誓った。朝日新聞のあり方は日本のメディアのあるべき姿として重要な問題だが、ここではこの間「朝日問題」との絡みもあってしばしば誤解・曲解されてきた「慰安婦」問題に絞って、その原点を確認しておきたい。
「慰安婦」とは、第2次大戦中、日本軍将兵に継続的に性的な奉仕を強いられた女性たちのことだった。こうした慰安婦制度の犠牲者は、日本、中国、韓国、フィリピン、オランダなど広範に存在する。このうち、フィリピンやオランダでは被害者への日本の償いはそれなりの評価を受けたが、韓国は日本の取り組みを厳しく批判し、日本ではそうした韓国への反発が強まったため、日韓の深刻な政治問題と化してしまった。「慰安婦問題=日韓問題」と捉えられがちなのはそうした事情による。
日本は朝鮮を1910年に併合し、45年に植民地支配から離れた韓国と65年に国交正常化した。その際、日韓両国は植民地時代の請求権を相互に放棄し、これにより植民地支配に伴う問題は解決されたと考えられてきた。
しかし、90年代のフェミニズムの高揚のなかで慰安婦問題がクローズアップされ、日本は法的には解決されたはずの問題にどう対処するかという困難な課題を突きつけられた。
95年、慰安婦問題に関する国内の議論が対立して具体的施策が困難をきわめる中、村山内閣と各界のオピニオンリーダーが協力して「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)を設立した。日本政府と基金はその後、歴代政権の下で、総理のおわびの手紙、国民の拠金からの償い金200万円、国費から医療福祉支援金120万〜300万円を364人の元慰安婦の方々に手渡し、さらに現代の女性の人権問題にも取り組んできた。国際社会でも評価されている村山談話の精神に基づいて日本政府と国民の心からのおわびと償いの気持ちを表したもので、自民、社会、さきがけの連立政権だからこそ実現できた、日本の政府と国民が責任を果たすぎりぎりの施策だった。
しかし、韓国の支援団体とメディアは、罪を認めない日本から「慰労金」を受け取れば被害者は公娼(こうしょう)になるとまで主張してこの償いを一顧だにせず、逆に日本批判を強めた。これは日本国民の深い失望を招き、日本の「嫌韓」「右傾化」を招く大きな要因となった。
また日韓のメディアは償い金を「見舞金」、「慰労金」と報じ、欧米のメディアは「慰安婦」を「性奴隷」と表記するなど、不正確で偏った報道をくりかえした。日本政府はこうした報道に十分に反論せず、基金による償い活動の広報を怠った。これに加えて第1次安倍政権下での政治家の不適切な発言、日本の一部の排外主義的な反発や口汚い嫌韓言説が諸国で報じられたため、「性奴隷制度を反省しない日本」というイメージが国際社会に広がってしまった。
この問題をめぐるこれまでの議論で最も欠けているのは、アジア女性基金による償いを具体的に検証する作業である。メディアに登場するのは学者、評論家、支援団体関係者、ジャーナリストばかりで、被害者の方々に総理のおわびの手紙を手渡し、今日まで被害者のケアに努めてきた基金関係者・事務局員の活動はほとんど報じられていない。100人の学者・評論家のもっともらしいコメントより、一人の現場に関わった者の述懐が本質をつくこともある。メディアはそれを忘れていないか。
ここまでこじれてしまった問題を一朝一夕に解決することはできない。
メディアは過去の一面的で扇動的な報道を深く反省し、基金と政府が行った償いの活動を詳細に紹介してほしい。日本政府は国際広報に力を注ぐと共に、とくに慰安婦問題への姿勢に疑いの目を向けられている安倍晋三首相は、そうした疑念を払拭(ふっしょく)させる思い切った行動をとってほしい。
一般市民の方々は、「強制連行された被害者か公娼か」といった空しい対立の図式に陥ることなく、何よりも大切なのは、慰安婦制度の犠牲者の尊厳を回復し、苛酷(かこく)な人生を生きてきた彼女らの残された人生の苦しみを少しでも和らげ、人間らしい生活を送るのを助けることなのだ、という原点をもう一度確認していただきたい。
日韓両政府は、本問題について交渉を重ねながら具体的解決策に踏み込めないでいる。その一因は、両国にあまりに一面的で強硬な世論が蔓延(まんえん)していることにある。日韓が勇気をもって問題の解決に踏み出すには、両国民による右の原点の理解が不可欠なのである。(寄稿)
◇
おおぬま・やすあき 明治大特任教授、東京大名誉教授。専門は国際法。アジア女性基金の呼びかけ人・理事を務めた。著書に「『慰安婦』問題とは何だったのか」「東京裁判・戦争責任・戦後責任」、共著に「慰安婦問題という問い」「戦後責任」など。
◇
〈アジア女性基金〉 正式には「女性のためのアジア平和国民基金」。元慰安婦に対する「おわびと反省」を表明した河野洋平官房長官の談話を受け、自社さ政権下の1995年7月に発足した。首相によるおわびの手紙と国民の寄付から償い金200万円、国費から医療福祉支援事業として120万〜300万円を元慰安婦に支給。一定の役割を果たしたとして、07年3月に解散した。
韓国では韓国政府認定の元慰安婦207人中(02年時点)、61人を対象に実施。台湾では13人、フィリピンは211人が対象。オランダでは医療福祉事業として79人が受け取った。インドネシアは元慰安婦の認定が困難だとして、高齢者施設を整備した。
この人は言葉遣いこそ、一見丁寧…のように感じるかも知れませんが
その内容は、一文一文を逐次ツッコミせなあかんくらい「ええ加減」なことしか言うてません
で、逐次ツッコミをしてもええんですけど、それほどの価値もないと思うので
大まかに、この男の言うてることのいい加減さを説明しますと…
欧米のメディアが「慰安婦」を「性奴隷」と表記するに至ったのは、大沼が言うように
”「慰安婦」とは、第2次大戦中、日本軍将兵に継続的に性的な奉仕を強いられた女性たち”…
だったからで、大沼はその事実を認めながら、欧米のメディアが
「慰安婦」を「性奴隷」と表記することを”不正確で偏った報道”と言うてます
けれども、「慰安婦」のおかれた状況からくるその実像を「性奴隷」と認めないのは、
それこそが「不正確で偏った」思考であり、日本のウヨくんたちと言うてることが一緒です
そして、大沼は「国際法の専門家」という肩書きながら、従軍慰安婦の責任問題に関して
”法的には解決されたはずの問題”と、これまた「不正確」なことをサラッと言って
世間にその誤解を広め、まるで自分が日本政府になったかのような表現で
”日本は…困難な課題を突きつけられた”…と、被害者意識丸出しの言葉遣いをしてるんですね
(言うときますけど、慰安婦問題も含めて日韓基本条約で解決済みである…というのは
「日本政府の言い分」に過ぎないところ、国連の報告でもそれは明確に否定されてます)
このように、大沼は完全に日本政府の立場と同化してるので、アジア女性基金による事業が
”日本の政府と国民が責任を果たすぎりぎりの施策”だと自分で勝手に決めつけてるだけで
現実には、「韓国だけではなく国連からも」
「日本は国家としての責任を認め、元慰安婦に謝罪し、賠償すべき」と言われてるんです
(つまり、国連はアジア女性基金による事業では不十分と判断しているわけで、
それがなぜに「ぎりぎりの施策」(≒精一杯の施策)に化けてるのか…ということです)
大沼はこの投稿のなかで、
”何よりも大切なのは、慰安婦制度の犠牲者の尊厳を回復し、苛酷(かこく)な人生を生きてきた彼女らの残された人生の苦しみを少しでも和らげ、人間らしい生活を送るのを助けること”
と、まっとうなコトを書いてますが(→こういうところが騙されやすいトコ)
その他のところで書いているのは、「慰安婦制度の犠牲者の尊厳」の回復とはまったく関係のない、
自ら主導的に関わった事業の失敗の原因を韓国側に求めて責任転嫁しているだけです
(加害者側が、犠牲者側の求める内容を拒んでいる自分の姿を顧みずに、
「自分たちがしたことに満足しない相手方が悪い」と考えるのは、誠に傲慢な態度ではないですか)
このような大沼の態度は、まるで、「オレはお前のことをこんなに思ってるのに、
お前はオレのことをどうしてわからないんだ!」と言いながら
相手を傷つけ恨むDV男の心理とソックリではありませんか
大沼は、アジア女性基金の検証をすべきだ、それについては、基金の関係者の話を聞くべきだ…と
何やら、訳のわからないことを言ってますが、大沼に同調する基金関係者の話をいくら聞いたところで
出てくる話は大沼同様、「自画自賛」と「韓国側の無理解」でありましょう
アジア女性基金の事業「検証」など、容易いことです
あのとき、元慰安婦の方々に渡された日本国総理大臣の手紙には、こう書かれていました
我々は、過去の重みからも未来への責任からも逃げるわけにはまいりません。わが国としては、道義的な責任を痛感しつつ、おわびと反省の気持ちを踏まえ、過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝えるとともに、いわれなき暴力など女性の名誉と尊厳に関わる諸問題にも積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。
これは、元慰安婦の方との「約束」と言ってもよいものです
あれから、日本政府は「この約束」を守ったと言えますか…